Alien Abduction 1

Original
デビッドは街を離れるのが好きだった。
人や世間や普段の生活から2,3日遠ざかるのが好きだった。
そして今も、コロラド山麓の丘陵地帯の適度に樹木に覆われたエリアを通ってハイキング中であり、完璧なキャンプ地を探していた。
今回は2晩だけのキャンプだった。
1日半かけて許可をくれた駐車場までドライブして地元のモーテルで1泊し、日の出とともに出発した。
キャンプをするには1年で一番良い時期だ、日中は暑すぎることのない陽気だし、夜に涼しくなれば寝袋が心地よく守ってくれる。
デビッドの寝袋は最新型の軽くて丈夫なやつで、荷物に入れても重くはなかった。
しかし太陽が高く昇ると結構暖まってきた。
しばし止まってシャツを脱ぐと筋肉の盛り上がった身体があらわになった。
自分を見下ろすと、胸毛がないのが残念だとちょっとだけ考えた。
でもそのおかげで長年続けたトレーニングの成果がくっきり見える。
デビッドの腹筋は見事だった。
それでも、大胸筋が大きな茶色い乳首を見せびらかすように盛り上がっている方に目を奪われていては気づかないかもしれないが。
その上には鎖骨がくっきり浮かび上がっていて、がっしりとした広い肩につながっている。
腰と尻は締まっていた。今でも31インチのジーンズをはくことが出来る。
身長は177センチくらいで、風呂上がりの素っ裸で計った体重は77キロだった。
ウェーブがかった茶色の髪が耳を半分覆い、豊かに波打った髪が額にたっぷりとかかっていた。
彼の腕は力強く、肉体労働にも慣れていた。
もっとも最近昇進して以後、力仕事は減ってきていたけれど。
全体として見れば、これまで27年の人生はそれほど悪くなかった。
荷物を担ぎ直して再び出発し、より高い丘へと登ってゆく。
4時頃になって、デビッドはついに自分が思い描く完璧なキャンプ地を見つけた。
小さな牧草地は比較的平坦で、デビッドが今抜けて来た木の茂ったエリアに接していた。近くに小川があった。
彼は小さなテントを張り、その中に荷物を入れ、簡単な食事の準備に取り掛かった。
大きなコンロを持ち歩きたくなかったので、このようなの小旅行のときはいつもフリーズドライの食品しか食べなかった。
ただし朝はコーヒーを飲むことができるように、湯を沸かす小さなバーナーだけは持っていた。
黄昏がせまり気温が下がってくると、少し暖を取れるように小枝を集めて慎重に小さな火を起こした。
デビッドは林からはなれて開けたところでのキャンプが好きだった。
そうすれば星を見ながら寝入ることができるからだ。
デビッドは星達に魅了されていた。何十億もの星達も、ここでならより一層良く見ることが出来る。
夜の帳が下りると、デビッドは残りの衣服を全部脱いで、寝袋に這いこみ、仰向けになった。
今夜は特に星が輝いている。

Oct 20, 2005 By wildestdreams Write a comment!